私どもの会社、株式会社ヤマサ興産は、江戸時代の元禄期創業の呉服屋を淵源としています。
私は創業者という立場ではなく、父を始めとする先人の有形無形の財産を「引き継い」で現在があると思っております。そうした点でも恵まれていると思っています。
会社の今と未来を語る上で、私にとって父と船井幸雄氏の二人の存在は欠かせません。
父は江戸時代から続く呉服屋の長男として生まれましたが、生後まもなく「小児マヒ」に罹患し、生涯、歩行には左足の補助具と杖が必要でした。また、3歳の時に父親を亡くし、母親と祖父に育てられました。「女手ひとつで家と商売を守っていかなければ」という思いの強い、気丈な母親に育てられ、本当に「負けずきらい」の子供であったようです。幼い頃から自らのハンデを自覚し、「負けてなるものか!」という「負けん気」と「努力」、「勉強」、そして「時流~新しいものへの飽くなき関心と決断」が父の人生の根幹をなしていたと思います。
一方、身体障害者であった故に兵役を免れたことを『人間、塞翁が馬だ。』と度々言っていた楽天主義者でもありました。吉永小百合の『いつでも夢を』が大好きで、よく口ずさんでいたのを思い出します。父は、若い頃から「新しい技術」や「最先端」のものが大好きで、誰よりも早くそれを実際に体験・取り入れた人でした。
「小児マヒ」で足が不自由だった為、身体が自由になる水泳が好きで、昭和30年頃にはフィンとシュノーケルを着けて玉川や雄物川で泳いでおりました。
車も戦後まもなく、従業員従業員に免許を取らせ仕事に使っていましたが、昭和40年頃にトヨタがクラッチペダルのないオートマチック車を出すと、直ぐに免許を取得し、更に当時は誰も装備していない安全ベルトを装備して運転しておりました。家電やコンピュータも大好きで、テレビはわが家が秋田県第1号ですし、パソコンも日本語版のない「Macintosh」の導入なども秋田県で最初と思います。兎に角、最後まで「新しいものと時流」への関心は飽くことはありませんでした。
こうした、「時流をとらえた事業展開」「情報の大事さ」「新しいものへの好奇心と挑戦」と言った姿勢が父から受け継いだ企業のDNAだと思っております。
もうお一人の船井幸雄氏は、日本の小売サービス業界の経営コンサルタントのカリスマでした。船井幸雄氏は、「船井流」と言われる考え方、姿勢、行動という面で多くの経営者に影響を与えた方でした。私は、父の会社が船井氏の古くからの指導先だったご縁で、大手小売業ニチイで4年勤務した後に船井幸雄氏の会社に1年間出向という形でお世話になりました。
私にとって、「素直、プラス発想、勉強好き」「やる気、負けん気、思いやり」「過去オール善、現状肯定」「包み込み~否定しないこと、認めること、批判しないこと、恨まないこと、許すこと。」など船井先生の珠玉の言葉は、今も自らの行動指針と考え方の柱になっています。
1年間の出向期間中、船井塾という2世経営者の勉強会にも入らせて頂きました。「船井流」と言われる哲学で結ばれた同年代の十数名の2世塾の仲間は、40年以上たった今でも大変仲が良く、経営者としてご厚誼を頂いていることも私の大きな財産です。
私たちの会社の経営理念「世のため 人のため そして自分のため ~三方よし~ 」は、こうした私の生い立ちや出会いから生まれた「思い」を経営理念として表現したものです。
上記の経営理念と事業目的に沿って、私ども 株式会社ヤマサ興産は、以下の事業を行っています。
運動を通じて、人々の心身の健康の維持・向上をサポートし、地域の暮らしに「元気」と「笑顔」を生み出すことを目的としています。
・24時間フィットネス事業 『FIT365』 (FC)
・通所介護事業 『ジョイリハ』(FC)
地域の暮らしに「便利さ」と「楽しさ」のつくることを目的としています。
・経済産業省主管の競輪の場外車券売場
『サテライト男鹿』
地域の暮らしに「おいしさ」、「笑顔」をつくることを目的としています。
・菓子小売事業『シャトレーゼ』(FC)
太陽光発電と小形風力発電事業を通じて環境問題への貢献を目的にしています。
・『男鹿太陽光発電所』(1000KW)
広域大仙圏のハッピーニュースをお届けするインターネットの情報配信サービスで、地域の暮らしに「楽しさ」と「笑顔」と「いいね!」を創ることを目指します。
・大仙経済新聞
企業には「公益性、教育性、収益性」が求められます。
企業活動が、世の中の役に立っていること。地域の暮らしを便利に、楽しく、笑顔を生み出し、快適さに貢献していることが、「公益性」です。
そこで働くことで、能力が開発され、人間としての力をつけられること。そのことが、その人の人生を豊かに、楽しいものにすることが、「教育性」です。
そして、企業が目的を果たし、存続していくためには、利益を出しきることが求められます。これが「利益性」です。
企業が存続していくためには、現在の事業の生産性を高めることと、物と人への投資が不可欠です。
加えて、世の中の変化を読み、その変化に対応してゆくことも不可欠です。
船井先生は、事業は『変化対応業』だ。生き残ってゆくためには、常に「変化」してゆくことが必要だと常々おっしゃっておりました。
昨今インターネット、AI、SNS、DXなどの活用が必須となり、世の中の動きは未来の予測がつかないのほどのスピードで変化しています。
こうした変化の中では、「時流を捉えるための情報」そして「時流をとらえた速やかな事業展開」がさらに重要になってきます。その担い手として、「新しいものへの好奇心と挑戦」の姿勢もったトップ以下の人材が必要不可欠です。
その為に、今までの人的ネットワークを生かし拡大し、情報収集に務め、新たな事業に果敢にチャレンジすること。
そして、会社を支える人材を活かすための、人間信頼・自己研鑽の考え方に基づいた柔軟な組織づくりを進めていきたいと思っています。
これからも多くの人との出会い・ご縁を楽しみにしています。